長野県在住者が埼玉県を語る
『なぜ埼玉県民だけがディスられても平気なのか?』を読んでみた。
他県の人と埼玉県の話をする際、大抵「何もないよね」と言われる。
確かに何もない。反撃できる言葉がないから「そうだよね」と言ってしまう自分がいる。
あの陸の孤島長野県民にすら「埼玉なんか何もないじゃん」と言われてしまう程である。
彼らの目線は、埼玉を超えて東京や千葉(ディズニーランド)に向いているのだ。
おいおいおいちょっと待った!!
北陸新幹線かがやきの停車駅でもある大宮を見逃すな!!!
実際、長野県民にとって埼玉は「新幹線の車窓から晴れていたら富士山が見える場所」でしかないことが最近判明した。
私も埼玉在住経験がなかったら埼玉なんてすっ飛ばすだろうし気持ちはよくわかる。
本書を読んでいて思ったのは、確かに埼玉は中の人に向けた整備が整っていること。
テレビ番組や交通に不自由を感じたことはないし、少し足を伸ばせば大型ショッピングモールがある。
私の中で神的存在である越谷レイクタウンのように、東京顔負けの商業施設もいくつもあるのだ。
その反面、長野は中の人よりも外の人に向けた整備が整えられている印象がある。
北陸新幹線に代表されるように、交通網はここ20年でかなり整った。(長野オリンピックがなければ特急のままだっただろうと語る県民もいる)。
他県民から羨ましがられる観光地は沢山あるが、中の人が暮らしやすい環境ではない。
電車に乗る際には電子マネーが使えないから未だに切符。
学生の夏休みは全国有数の短さ。(これは今年の猛暑のこともあって近い将来休みを伸ばす話も挙がっているようだ)。
また、長野市は県庁所在地の癖にショッピングモールが少なくて買い物には不便な地である。
そのため、長野市民は専ら上田市のアリオや佐久市のイオン、最近では松本市のイオンモールへ買い物に行く。
さらに、県を越えて新潟県上越市のイオンに行く強者もいるほどだ。(ちなみにあの一帯はショッピングセンターが多くあるので買い物には便利である)。
やはり外の人に向けた観光地よりも、中の人が住みやすい街にすることが大切だと感じる。
その割には郷土愛が深い長野県民であるが、所詮観光地など外の人に向けられたものである。
善光寺やスキー場や軽井沢があっても、生活必需品を一ヶ所で揃えられる大型ショッピングモールがないのはとても不便だ。
長野県に越谷レイクタウンがあれば本当の意味で日本の屋根になれるだろう。